治療に活かす!栄養療法はじめの一歩(羊土社)

2011年1月13日 初版第1刷
2011年3月1日 第2刷
2011年12月15日 第3刷
2012年7月5日 第4刷
2013年4月30日 第5刷
 

本書の概要

“なんとなく”行っていた栄養療法に自信がつく!

 

「疾患治療に栄養が大切なのはなぜ?」「経腸栄養剤の違いと選び方は?」など基本的な考え方から現場で役立つ知識まで自然に身につく医師のための入門書

はじめに

「研修医が栄養療法を学ぶのに何か良い本はありますか。」


 2009年9月、初期研修医に対して行った栄養療法の勉強会の最後に、こんな質問を受けた。ところが、言葉につまってしまった。思いあたる本がなかったからである。


 昨今、日本中の病院で栄養サポートチーム(NST)が盛んに活動しており、栄養療法にこれまでになくスポットライトが当てられている。実際に本屋へ行ってみたり、インターネットで検索したりすれば、栄養療法の本をたくさん見つけることができる。

 

 しかし、そのほとんどがNSTのメンバーに向けてのものだ。NSTがどのようにして栄養療法を行うか、という視点で書かれている。だから、研修医が勉強するには、やや敷居が高い。ほかならぬ自分自身が違和感を覚えながら、それらの本で勉強していた。栄養療法はNSTだけのものではないからである。


 私は、臨床研修必修化が始まった2004年5月から医師として働きだした。幸運にも初期研修のときの指導医が栄養療法に積極的だったため、最初から栄養療法に興味をもって取り組むことができた。’06年4月から栃木県済生会宇都宮病院で勤務するようになり、夏からはNST委員会に所属するようになった。そこから本格的に栄養療法を学ぶようになり、同時に周囲のスタッフに対して栄養療法の勉強会を主催する機会が多くなった。

 

 その後も継続的に栄養療法の実践、普及に一生懸命取り組んでいたら、’09年4月からNST委員会の委員長をやることになった。そして、どうしたらもっと多くの人に栄養療法の有用性を伝えられるかを考える時間が増えていった。そんなときにはじめに示した質問を投げかけられた。この言葉が本書を生み出すきっかけとなった。


 本書は、「研修医」と「しみず」の対話が各テーマの導入部となっている。これから栄養療法を学ぶ人たちにとって、「研修医」の示す栄養療法に対する懐疑的な態度は、共感する点が多いだろう。この「研修医」の言葉は、自分自身が研修医のときに疑問に感じていたことを思い出しながら書いたものだ。

 

 一方、「しみず」の言葉は、栄養療法を学び、実践してきた今の自分の意見を正直に書いたものである。すなわち、本書は、過去の自分の疑問に対して、今の自分が答えていくという形式で進んでいく。それは、私自身がいつも栄養療法の有用性を疑いながら、学び、実践してきたという過程を示している。


 主に初期研修医に向けて書いた内容であるが、わかりやすいテーマから進んでいくので、医学部5、6年生にも十分に楽しめるのではないかと思う。また、後半になるにしたがって高度な内容になっているので、NSTに携わるコメディカルの方々にも、知識の確認として使ってもらえるのではないだろうか。そして、何よりアンチ栄養療法、アンチNSTの方々に本書を読んでいただきたい。栄養療法は、「いつでも、どこでも、誰でも」実践できるきわめて身近なものである。アンチになるのは、あまりにもったいない。


 本書が、たくさんの人たちにとって栄養療法により深く触れるきっかけになるのならば、これに勝る喜びはない。


 2010年12月

 

清水 健一郎

本書を書こうと考えたきっかけ

「研修医が栄養療法を学ぶのに何か良い本はありますか」

 

本書の「はじめに」にあるように、2009年9月、栃木県済生会宇都宮病院の初期研修医に対して行った勉強会の最後に受けたこの質問が本書を書くきっかけになりました。

 

私自身が医学部で勉強したのは、1998年4月から2004年3月です。医学部に在籍中に栄養についての講義を聴いたことはありませんでした。

 

不勉強だったせいもあるかもしれません。しかし、一般的に、輸液や経腸栄養などの実践については学生の時にきちんと学習するものではなく、研修医になってから自主的に勉強するものでした。

松枝啓先生の回診

医師国家試験に合格した後、2004年5月から国立精神神経センター国府台病院(現・国立国際医療センター国府台病院)で初期研修を行いました。

 

本書の「推薦のことば」を書いて頂いた松枝啓先生は、当時、国府台病院の副院長で、初期臨床研修の責任者をしていました。

 

松枝先生は、言わずと知れた日本の栄養療法のパイオニアであります。

 

松枝先生の回診についたときに、炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎など)における成分栄養(エレンタール®など)の有用性やオメガ3系脂肪酸の抗炎症作用など、学生の時に勉強したことがなかったことを、松枝先生が次々と話されていたのに衝撃を受けました。

 

そういう考え方があるのか、と。このときが栄養療法との初めての遭遇だったと記憶しています。

 

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更新日 2014年1月29日(水)

 

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