「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」が遂に発売

●「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」が遂に発売

 2014年2月28日、「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」が発売になりました。

 

 私自身、この2年間は本書のことばかり考えて生活していましたので、実際にできあがった本書を手にしたとき(2014年2月25日昼頃)は、非常に感慨深いものがありました。

 

 また、2014年2月27、28日にパシフィコ横浜で行われた第29回日本静脈経腸栄養学会学術総会で、本書が並べられているところを見たときは感動的でした。

 

 この2年間はこれまでの人生の中でも、最も貴重な時間だったと感じています。

●苦しみ抜いた2012年

 2012年1月に羊土社から企画が持ち上がり、本書を書き始めました。始めは意外と簡単に書けるのではないか、と気軽に始めましたが、内容を考えていくにつれて、次第に筆は重くなり、2012年の夏頃には前に進まなくなりました。

 

 今回、書くのが難しかったのは、全体としてどの辺りの着地点を目指すか、という点でした。

 

 前著「治療に活かす!栄養療法はじめの一歩」は、何も知らない本当の初心者の方に対する栄養療法の入門書でしたので、難しい内容は含めず、親しみの持ちやすい領域だけを書いていけました。

 

 「治療に活かす!栄養療法はじめの一歩」は、2009年11月に企画が始まり、2010年9月末には原稿が完成し、2011年1月に発売となっていますから、特に苦しまず、企画から発売まで進みました。

 

 しかし、今回は既に「治療に活かす!栄養療法はじめの一歩」がありました。このことが書く内容を難しくしました。

 

 

●難易度を上げて続編を書くという難しさ

 純粋に続編を書くだけならそれほど難しくなかったと思います。しかし、「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」で求められていたのは、「難易度を上げて、かつ、分かりやすいままで続編を書く」ということでした。

 

 日本で栄養療法が注目されるようになったのは、2000年に入ってからです。まだ10年ほどの歴史しかありません。それでも、この5年の栄養療法の進化はめざましいものがありました。

 

 栄養療法がこれまで注目されてこなかった理由はいくつかあります。

 

 私自身、そのいちばんの理由は、栄養療法を効果的に実践するのが非常に難しいからだと感じていました。

 

 

●どうして病院の栄養療法は難しいのか

 「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」の「はじめに」にも書きましたが、この本は「どうして病院の栄養療法は難しいのか」という問いに答えることが中心的なテーマとなっています。

 

 単純に難易度を上げて書いていくのは、それほど難しくありません。自分でも内容を良く理解していなかったとしても、キーワードと専門用語を並べていけば、難易度は自然と高くなります。

 

 しかし、ただ難易度を高めるだけを目的とした本では、自分が書いている意味がありません。

 

 ただ難しい本を書いたとしても、読んでくれる人がいません。

 

 自分が働いているような環境(基礎研究や質の高い臨床研究が十分にできない一般的な市中病院)で、糖尿病を専門にしている一介の内科医が、どのような内容を書くべきなのか、この問いにはいくら時間を掛けても、はっきりとした答えが出せませんでした。

 

 散々に考えた挙げ句、自分が日常の臨床の中で疑問に思っていることを自分で調べて答えていこう、と考えたのです。

 

 

●様々な情報を有機的に統合する難しさ

 難易度が上がったととしても、日常診療におけるありふれた疑問を分かりやすく答えるという形式を取れば、読者の興味を引くだろうと思いました。何より自分の勉強にもなります。

 

 やはり「治療に活かす!栄養療法はじめの一歩」がありますから、簡単な疑問は既に答えてありました。

 

 前著はどちらかというと、実践的な問いとその回答が多かったので、今回はもっと根源的な問いとその答えとなるメカニズムを記述していこうと考えました。

 

 しかし、その計画を実行するのは、あまりにも大変でした。栄養療法における根源的な問いのその答えを知るのは容易ではなかったからです。

 

 調べる資料が多岐に渡り、それらの雑多の情報群を有機的に統合する必要がありました。調べた限り、病院の栄養療法の領域はどうも様々な分野でバラバラに語られているようです。

 

 栄養学の本だけでは、全体像が掴みにくいと感じました。何よりヒトのカラダの仕組みそのものがあまり書かれていませんでした。そのため、医学部で学習した生理学や生化学、免疫学、組織学など、ヒトのカラダの仕組みに対する理解を別個に深める必要がありました。

 

 さらに、病院における栄養療法では、実施する対象が健康な人ではなく、病気を患った人なので、病気についての詳しい理解も必要でした。

 

 栄養とヒトのカラダの仕組みと病気についての情報を同時に記述していくのは、思っていた以上に難しい作業で、1つのテーマを書き終えるのに非常に時間が掛かりました。

 

 

●「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」がランドマップ研究室を生み出した

 実は2013年に入っても、本文はあまり進んでおらず、2013年5月の段階でも、4分の1も完成できていない状況でした。この頃でも、内容構成をどのようにしたらいいか、悩んでいた状態で、先が見えない闘いが続いていました。

 

 今、このように一冊の本として、出版できていることが不思議なくらいです。自分でもよく完成できたなと今でも感じています。

 

 あとは発売後の反響が楽しみです。このように苦しみ抜いた末にできた本書なので、前著に比べて読みにくいところが多いのではないかと思っています。

 

 苦しんだ時間が長かったからといって、読みやすい文章になっているとは限りません。洗練されていない可能性があります。

 

 ただ自分としては、「現段階における栄養療法に対する自分の疑問点をまとめられた」という達成感がありますので、これから「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」を日常的に読みながら、さらに栄養療法に対する考察を深めていこうと思っています。

 

 既に書き直したいと思う項目がたくさんあります。何とか発売したとしても反省点が多いです。 

 

 このランドマップ研究室を立ち上げようと思ったのも、「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」を書いていたときの反省からでした。

 

 もう少しシステマティックに文章を生み出していける環境を作っていかなければいけないなと感じたからです。

 

 このように色々な意味で、「モヤモヤ解消!栄養療法にもっと強くなる」は私の人生を変えてくれました。今後、本書が私にどのような影響を与えてくれるか、楽しみにしています。

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